「シャンシャン」検疫のようす

上野動物園公式サイトで、シャンシャンの検疫の様子が公開されたよ。

動物を輸出する際には国を越えた感染症の伝搬を防ぐため、輸出相手国が定めた衛生条件を満たす必要があり、日本からジャイアントパンダを中国へ輸出する場合には30日間の出国検疫が定められています。そのあいだは室内での管理となり、外から病気を持ち込むことがないよう、飼育エリアでは防護服を着用して作業します。

検疫初日は、シャンシャンがびっくりしないように、防護服の一部を身につけたり、短時間だけ防護服を着て対面したりしたんだって。
シャンシャンは、初めは少し驚いたり戸惑ったりしていたそうだよ。
そうだよね。ほぼ顔が見えない全身白づくめの顔が人が現れたらびっくりするよ。

でもね、知ってる人だと思ったみたいで、すぐにこれまでどおりの反応になったそうだよ。
この写真、安心感を感じているにこやかな感じだよね。

中国への搬出のためには、日常の飼育管理のほか、いくつかの検査や投薬をおこなって健康状態を確認する必要があります。そのほとんどはふだんのトレーニングの延長で実施できたのですが、そのなかで唯一苦労したのが「胸部レントゲン撮影」でした。

シャンシャンはこの数年間でトレーニングを重ね、撮影にも成功していた実績がありましたが、なぜか検疫が始まる少し前から、トレーニングの途中で集中を欠いたり、撮影部屋に入らずに歩き回ってしまったりすることが多くなり、練習での事前撮影もうまくいかないまま検疫に突入してしまいました。

頭のいい子なので、いつもと違う雰囲気を感じ取っていたのかな?

胸部レントゲン撮影は検疫期間中におこなう必要があるため、それほど日数に余裕はありません。
1月23日は撮影範囲が不十分だったため失敗。
翌週の1月30日には撮影部屋を開けてもなかに入ろうとせず、ウロウロと歩き始めてしまいました。
「今日もだめなのか……?」と諦めかけましたが、歩き回るシャンシャンに好物のパンダ団子とリンゴを与えたところ、少し気持ちが替わったようで、なんとか部屋の中まで誘導することができました。
シャンシャンの集中が途切れないようこまめに声をかけ、ときどきパンダ団子とリンゴを多めに与えてやる気を維持しながら、やっとの思いで複数回の撮影をこなしました。