中国に渡った「シャンシャン」。輸送会社が明かす苦労

シャンシャンが中国にお引越しした際、利用した飛行機に裏話があるんだって。

上野動物園
航空会社によると日本でパンダ輸送に貨物機を使うのは前例がないそうですが、シャンシャンを上野動物園のスタッフが近くで見守れるよう、旅客機に替えて貨物専用機が使われました。
旅客機だとスタッフは客席、シャンシャンは貨物スペースと分かれるため、飛行中にシャンシャンの様子を確認できない。
けれど、貨物機なら同じ空間で過ごすことができます。
シャンシャンが不安がらないよう近くで見守りたいという動物園側の希望にも沿っていました。

コロナ禍で不確実な要素も多く、シャンシャンが同センターに到着して一段落するまで記者発表も控えるほど重圧があったといいます。

シャンシャンの輸送を担当したのは阪急阪神エクスプレス(大阪市)です。
日本に初めてやってきたジャイアントパンダ「カンカン、ランラン」(1972年)を皮切りに、上野動物園のパンダ輸送を一貫して手がけてきました。

阪急阪神エクスプレスは、1984年10月に日本に初めてコアラが輸入された際も担当されました。
当時コアラは生きたぬいぐるみといわれ国賓並みの扱いだったそうで、成田から多摩動物公園への輸送は、パトカー2台を従えての7台編成だったそうです。

パトカーの先導付きなんてすごいね。
ほんとに国宝並み。

プロ集団の阪急阪神エクスプレスさんでも今回のシャンシャン輸送は大きなプレッシャーを感じる業務だったんだって。
コロナ禍で日本と中国を結ぶフライトは大幅に減便されていたしね。

阪急阪神エクスプレスは、順豊航空(SF エアラインズ)の貨物機を手配しました。
同社は中国最大の宅配グループ「順豊(SF)」の航空貨物部門で、中国国内でイルカやアザラシを輸送したり、中国―モンゴル間で羊4000頭を輸送した経験はあります。しかし、パンダの輸送は初めてでした。
昨年9月に準備が始まってから、中国の本社、政府機関、阪急阪神エクスプレス、日本の関係機関などとやり取りしたメールは1万通を超えたそうです。

最も大変だったのは、上野動物園のスタッフを貨物機に同乗させるための手続きだったそうです。
貨物機に乗る動物園のスタッフは乗務員扱いとなるため、中国の決まりで空勤登機証を取得しなければならないそうですが、中国の貨物機に外国籍の乗務員が搭乗した前例がなかったため、航空行政を管轄する中国民用航空局(民航局)もどういう手続きや書類が必要か、明確に答えられなかったそうなんです。

パンダ輸送って、そんなに頻繁にあるわけじゃないもんね。
求められる書類の形式や取得方法もあいまいなことが多かったそうで、日本の警察や外務省に相談し、大量の書類をそろえながら、動物園のスタッフは乗務員として必要なトレーニングを行ったんだとか。
色々大変だったんだね。

「同乗できる動物園のスタッフは2人でしたが、新型コロナウイルスに感染したときのことを考え、計5人を乗務員として登録したそうです。
取得のメドが立ったのは年末。
そこから急ピッチで返還スケジュールが固められたそうです。

取得のメドが立たなかったら、お引越しは延期された可能性があったのかな?

着陸もいつもより丁寧に

輸送はシャンシャンファーストが徹底されました。
通常、SFエアラインズの貨物機は中国を朝出発し、昼に日本で貨物を積んで夕方中国に向かいます。

今回はシャンシャンの成田空港での待ち時間を最小限にするため、前日のうちに機体を成田空港に運び、パイロットらは空港周辺に一泊しました。
不測の事態に備えて搭乗機と同じB767型機2機を予備機として待機させていたとか。

シャンシャンの移動は中国でネット中継され、大勢の視聴者が見守っていました。
パイロットは普段よりも「丁寧に、丁寧に、丁寧に」着陸し、成都の空港の税関・検疫は優先対応してもらったそうです。

シャンシャン移動中、シャンシャンが乗ってる飛行機は、世界で一番検索されていたよね。

シャンシャンはケガすることもなく、安全に中国に到着できてよかったけど、
長い飛行時間、輸送箱に入れられたシャンシャンはかわいそうだったな。
シャンシャン専用のチャーター機だったのなら、もっと広い大の字になって寝られるスペースを用意してあげたらよかったのに。(シャンシャンファーストの発言です。)

※写真と記事は、4/12の東洋経済ONLINEより引用させていただきました。