「シャオシャオ」「レイレイ」の親離れと新しい放飼場デビュー!のようす

「シャオシャオ」と「レイレイ」は2023年3月19日の夕方、母親の「シンシン」から離れ、2頭でのくらしが始まりました。 2頭くらしをしてから1カ月経ち、この度上野動物園から親離れのステップと新しい放飼場での生活のようすが紹介されました。
初めて屋外放飼場Dに出たレイレイ(左)とシャオシャオ(右)
(撮影日:2023年3月20日)

シャオシャオとレイレイの親離れ

ジャイアントパンダは単独で生活する動物です。幼いころは母親や一緒に生まれたきょうだいといっしょに過ごしますが、1歳半から2歳ごろに母親のもとを離れていきます。その際、母親は攻撃的な態度を示して子のひとり立ちを促すとも言われています。
シャオシャオとレイレイは1歳半の頃にはタケをしっかり食べられるようになるまで成長していましたが、上野動物園では初めての双子なので、親離れの時期を慎重に判断しようと考えていたそうです。

そのなかで、2023年2月頃からシンシンの態度に変化が見られてきたそうです。
2頭が授乳を要求してくると避けるように移動したり、低いうなり声を出したりすることが増えてきたのだとか。
このまま同居を続けていると、子に大きなケガを負わせてしまう可能性もあるため、3月10日より2頭の親離れの準備を進めることに。

 親離れの準備は、2018年の「シャンシャン」のときと同じように4つのステップを踏むことで、段階的に母親と離れてくらす時間を長くしていくかたちで実施されました。

 最初のうちはシンシンがいない時間が短かったため、2頭にそれほど影響はなかったようですが、ステップが進んでシンシンのいない時間が長くなると、シャオシャオは鳴いて母親を探すような行動を見せ、レイレイは室内や放飼場をうろつくような行動を見せるようになりました。

シャオシャオは以前からシンシンに積極的に絡むことが多かったため、おおむね予想していた反応だったようですが、われかんせずの態度をとりがちだったレイレイも、大きな変化に落ち着かなかったようです。
けれど、2頭がお互いに寄り添いながら支え合うようにして、次第に以前のように落ち着いて採食や休息をするようになってきたので、3月19日の夕方から2頭くらしに。

(内容:上野動物園公式サイトより引用)

新しい放飼場デビュー!

親離れをしたあとの2頭は、室内展示3号室と屋外放飼場Dで生活することになりました。

室内展示3号室は以前工事の際、シンシンと過ごした部屋だったため、2頭の行動はある程度予測できましたが、屋外放飼場Dは初めて使用する場所なので、思いもよらない行動をとる可能性がありました。

屋外放飼場Dは観覧者との間にガラスがないので、聞きなれない人の声や物音などに怖がったり、外に出たがらない不安もあったそうですが、3月20日の初めての放飼で、すぐにシャオシャオが先陣をきって出ていき、マイペースなレイレイもそれについていくように出ていきました。
その後は2頭で一緒に放飼場を探索してまわり、モート(空堀)の下をのぞいたり、プールに入ったり、木に登ったり、新しい場所を確認するかのようなさまざまな行動が観察されました。

初日は短時間の放飼だったこともあって採食や休息は見られませんでしたが、翌日以降、日に日に落ち着いて過ごすことができるようになっています。

現在、レイレイは成獣と同じように採食や休息をするようになっていますが、シャオシャオは不安なのかレイレイのそばにいることが多く、レイレイの行動に触発されるように採食や休息をしているそうです。ここ最近は少しずつ単独でもできるようになっているようです。

少しずつ大人になっていますね。

「シンシン」が「シャオシャオ」と「レイレイ」から離れた3月19日夕方のようすと翌日20日の「シャオシャオ」と「レイレイ」の屋外放飼場Dでのようすが公開されたよ。


撮影日:2023年3月20日