シンシンのようす (104)

シンシンの血圧を測定したところ高い値が確認されました。
健康観察を十分におこなうため、9月20日の11時30分より展示を中止しています。

現在、投薬しながら定期的に血圧測定をおこない、健康観察を継続するとともに、投薬量など、動物の状態を見ながら慎重に対応しています。より安定した血圧測定をおこなうため、左腕の一部の毛を短くしておりますが、シンシンが気にしているようすはありません。

「中川 美帆さん」の記事を引用させていただきます

初めて高血圧で鼻血を出した

東京の上野動物園で暮らすジャイアントパンダのシンシン(真真)が高血圧だと判明しました。シンシンは、2023年9月20日(水)午後から10日間ほどの予定で公開をお休みしています。

9月20日の血圧は「最高170」

9月22日(金)に上野動物園に取材したところ、シンシンは9月15日(金)と17日(日)に鼻から出血して、9月18日(月)も少し鼻血を出したそうです。鼻血は決して油断できません。例えば、タイのチェンマイ動物園にいたメスのリンフイは今春、鼻血を出した後に21歳で急死してしまいました。

上野動物園は、シンシンの鼻血が続いたため、9月20日(水)に血圧を測定したところ、「最高170、最低146」と高い値を示しました。高血圧になると、パンダに限らず一般的に、心臓や血管に負担がかかります。すると心臓病や脳卒中になったり、網膜剥離で目が見えなくなったりするリスクが高まります。

高血圧の治療としては、基本的には人間と同じように降圧剤(こうあつざい)を投与します。シンシンにも9月21日(木)に降圧剤を投与すると、血圧は「最高117、最低95」になりました。

 上野動物園の大橋直哉教育普及課長は「人間用の血圧計で測定しているので、どこまで正確かは分かりません。しかもシンシンの血圧をはかったのは今回が初めてなのでデータがなく、絶対にこの値が正しいと言えないのが難しいところです」と前置きしたうえで、「血圧は下がりましたが、それが継続するかについては様子を見る必要があります」と9月22日(金)に指摘しました。

高脂血症との所見

上野動物園は、シンシンの血圧検査の結果から、高脂血症、つまり血の中に脂質が多いという所見を出しました。

シンシンは主食の竹のほか、おやつや栄養補助食として、リンゴやパンダだんごなども食べていました。食べっぷりもよく、上野動物園の公式サイトのプロフィール欄には「好きな食べ物のためなら、トレーニングにも積極的に付き合ってくれる食いしん坊です」と紹介されています。でも高脂血症となれば、今後はおやつを減らすといったこともあるのかもしれません。

シンシンは過去に高血圧となったことがありません。一般的に高血圧は、高齢のパンダに多い症状です。日本では、和歌山県のアドベンチャーワールドにいて、30歳だった2023年2月22日に四川省へ渡った永明(えいめい)や、神戸市立王子動物園にいる28歳のタンタン(旦旦)は、高齢なので健康診断として血圧測定をしています。

 何歳のパンダから高齢と見なすかは専門家によって見解が分かれますが、シンシンの「18歳」はおおむね高齢には当たらず、前述のように血圧測定をしたことがなかったのも無理はありません。

初めての血圧測定に挑戦

シンシンは、採血するために腕を出してじっとするといったトレーニングを中国で受けていました。上野動物園に来て半年以上が経った2011年9月から同園でトレーニングを再開すると、中国で経験したトレーニングはすぐに思い出したそうです。

母は高齢で血圧が高く非公開に

 シンシンの母親のインイン(英英)も血圧が高めになっています。インインは1991年生まれ。野生で保護されたので、正確な誕生日はわかっていません。現在は、四川省にある中国ジャイアントパンダ保護研究センター(以下、パンダセンター)の都江堰(とこうえん)基地で暮らしています。

2023年6月に再訪すると、インインは非公開になっていました。スタッフに尋ねたら「インインは高齢で血圧も高くなっているので、公開していません」とのこと。

シンちゃんが公開をお休みして1週間経ちました。当初動物園が発表した公開中止期間は10日ほど。シンちゃんに会えないのは淋しいけど、会うときは元気な姿を見たいから、シンちゃんの体調が回復するまで待ってます。

今年の夏は暑すぎたから、体調崩しちゃったんじゃないかな。
早く涼しくなってほしいよ。
そしたら、きっと元気になるよ。